
海の環境問題に取り組むNGO・JEANが全国20か所で行うマイクロプラスチック市民調査です。
近年マイクロプラスチックは世界中で注目されているものの、その調査手法はまだ確立されていません。今回の調査はその調査手法がどのようなものが良いのかを考えるものでもあります。
多くの方に体験していただき、良い調査手法を共に考えて、良い海の環境を未来に保っていけることを願っています。
ではさっそく、調査を始めましょう。
① まず場所を決めます

② 採取します


③ 5ミリ以上のものを取り除きます
マイクロプラスチックは何を指してそう呼ぶのかはいろいろな意見がありますが、JEANでは2ミリ以上5ミリ以下のプラスチックを「マイクロプラスチック」と呼んでいます。

④ 水に浮かんだものをすくい集めます

水に浮かんだものを全てすくい集めます。この後乾燥させるので、日を分けて行う場合はここまででひと区切りになります。
この後の分別や保管のことを考えると、塩分を落としておいたほうがいいので、バケツの水は真水がおすすめです。海水を使う場合は、乾燥させる前に水洗いをすることをおすすめします。
⑤ 乾燥させて2ミリ以下のものを取り除きます

⑥ 分類する

2ミリ以下のものを取り除いた後は、ピンセットなどを使って、プラスチックを分類します。
分類は①レジンペレット②徐放性肥料カプセル③人工芝片④硬質プラスチック片⑤発泡スチロール片⑥繊維状片⑦フィルム(シート)片⑧その他の8種類です。
調査はいかがでしたか?
場所によっては見つかる種類に違いがあったり、2ミリ以下のプラスチック片がたくさん混ざっている海岸もあります。
これらの違いは何が原因なのでしょう。またどのような影響が考えられるでしょうか。
データの分析は専門家も行いますが、調査を体験した人がひとりひとり考え、行動していくことが何よりも大切で、何よりも効果のあるものだと思います。
ちなみに日本ではJEANが行う漂着物調査ICC(International Coastal Cleanup)は世界約200か所で行われ、そのデータ量からさまざまな分析に活用されています。
調査で重視されることは正確性や、詳細さももちろんですが、調査の行いやすさという点も重要です。「市民調査」のメリットのひとつはデータ量ですので、身の回りにある道具を使い、だれでも行える手軽さが求められるからです。
また調査を体験することで、海のプラスチックの何が問題なのか、どんな影響があるのかを想像するきっかけにもなります。
海をたいせつにするアクションを、できることから、どうぞよろしくお願いします。
2020.9.13調査
この日の調査は5班に分かれて実施しました。
はじめての調査に「やり方分かんなくなった~」という声も聞こえましたが、今はまだ手法を検討中の調査。調査結果も大事ですが「どこにプラ粒があるのか、なぜそこにあるのか、どうすれば採取できるか(取り除けるか)」を知ってもらい考えてもらうことを重視しました。
プラ粒がたくさんある場所は理由があるのですが、それを探すのは少し宝探しゲームにも似ています。「2区画目行っていい?」とチャレンジされた班もあって、皆さんそれぞれ楽しんでいただけたようです。

2ミリ以下のがれきとプラ粒 ①レジンペレット ②徐放性肥料カプセル ③人工芝 ④硬質プラスチック片 ⑤発泡スチロール ⑥繊維状片 ⑦フィルム(シート)片 ⑧その他(釣りワームの破片)